れんれんと恋するための30日



幸はフルーツを美味しそうに食べる蓮を見ながら、優しく微笑んだ。


「七つって?」


蓮は食べるのをやめて幸の顔を見る。


「じゃ、まず一つ目…
これはもうれんれんと約束してること」


「あ、海?」


「そう、良かった、覚えていてくれて。
うん、海に行くこと」


蓮はスマホを取り出した。


「メモしてた方がいいだろ?」


福はナイスアイディアみたいな顔をして、笑顔で蓮を見た。


「じゃ、ここからは一気にいくね。
二つ目は海で泳ぐこと」


「…マジか」


蓮は小声でつぶやいた。
福は聞こえなかったふりをして先を進める。


「三つ目は回転寿司を食べに行く、四つ目は自転車で二人乗りをする、五つ目はきれいな星空を見る、六つ目は遊園地に行く」


蓮は大きな声で笑った。


「別に夏とか関係ないし。
回転寿司なんていつでも行けるよ」


福は泣きそうになった。


「いいの。今、やりたいの…
笑うな、バカ…」


蓮は急に静かになり、幸に大きなマンゴーを食べさせた。


「それで七つ目は?」


「幸の誕生日を一緒に過ごしたい」


蓮は切なそうな顔をして幸のほっぺをつねった。


「当たり前だろ…」