幸はフルーツを美味しそうに食べる蓮を見ながら、優しく微笑んだ。
「七つって?」
蓮は食べるのをやめて幸の顔を見る。
「じゃ、まず一つ目…
これはもうれんれんと約束してること」
「あ、海?」
「そう、良かった、覚えていてくれて。
うん、海に行くこと」
蓮はスマホを取り出した。
「メモしてた方がいいだろ?」
福はナイスアイディアみたいな顔をして、笑顔で蓮を見た。
「じゃ、ここからは一気にいくね。
二つ目は海で泳ぐこと」
「…マジか」
蓮は小声でつぶやいた。
福は聞こえなかったふりをして先を進める。
「三つ目は回転寿司を食べに行く、四つ目は自転車で二人乗りをする、五つ目はきれいな星空を見る、六つ目は遊園地に行く」
蓮は大きな声で笑った。
「別に夏とか関係ないし。
回転寿司なんていつでも行けるよ」
福は泣きそうになった。
「いいの。今、やりたいの…
笑うな、バカ…」
蓮は急に静かになり、幸に大きなマンゴーを食べさせた。
「それで七つ目は?」
「幸の誕生日を一緒に過ごしたい」
蓮は切なそうな顔をして幸のほっぺをつねった。
「当たり前だろ…」



