「何?
今日はデートなの?
幸ちゃん、今日はめちゃ可愛いね。
今度はおじちゃんともデートしてよ」
幸はパンケーキを目の前にしてかなり興奮している。
店長の問いかけにも笑顔で快諾した。
「じゃ、今度、幸ちゃんの暇なときを教えてね」
幸はパンケーキから目が離せないまま、笑顔で頷いた。
「幸、何だよそれ?
俺が他の女の子と話すのは怒るくせに、自分は店長とデートの約束をするとかあり得ないし」
蓮は、店長相手に焼きもちを焼いている自分が情けなかった。
「デート? 誰と?」
蓮は頭を抱える。
幸はパンケーキに夢中になり過ぎて、誰と何を話したかも覚えていない。
「可哀想な店長、フラれたも同然…」
幸はパンケーキにデコレートされている真っ赤な苺を一番に食べる。
蓮はスマホで写真を撮った。
リロのパンケーキを美味しそうに食べる幸は本当に可愛いらしい。
「れんれん、私のお願いを聞いてほしい…」
「うん? 何?」
蓮も盛りだくさんのフルーツを必死に食べている。
「夏ってさ、9月で終わっちゃうじゃん。
夏までにやりたいことが七つあるんだ…」



