れんれんと恋するための30日



「何?
今日はデートなの?
幸ちゃん、今日はめちゃ可愛いね。
今度はおじちゃんともデートしてよ」


幸はパンケーキを目の前にしてかなり興奮している。
店長の問いかけにも笑顔で快諾した。


「じゃ、今度、幸ちゃんの暇なときを教えてね」


幸はパンケーキから目が離せないまま、笑顔で頷いた。


「幸、何だよそれ?
俺が他の女の子と話すのは怒るくせに、自分は店長とデートの約束をするとかあり得ないし」


蓮は、店長相手に焼きもちを焼いている自分が情けなかった。


「デート? 誰と?」


蓮は頭を抱える。
幸はパンケーキに夢中になり過ぎて、誰と何を話したかも覚えていない。


「可哀想な店長、フラれたも同然…」


幸はパンケーキにデコレートされている真っ赤な苺を一番に食べる。
蓮はスマホで写真を撮った。
リロのパンケーキを美味しそうに食べる幸は本当に可愛いらしい。


「れんれん、私のお願いを聞いてほしい…」


「うん? 何?」


蓮も盛りだくさんのフルーツを必死に食べている。


「夏ってさ、9月で終わっちゃうじゃん。
夏までにやりたいことが七つあるんだ…」