れんれんと恋するための30日



「幸、今日はどこに行こうか?
どこに行きたい?」


福はもちろん男性とデートなんてしたことがない。
今日は福にとって初めてのデートだ。
それも大好きな蓮と。


「れんれんが一緒ならどこでもいい」


蓮はまた胸がキュンとなる。
ヤバい…
スタートからこんなで俺は大丈夫か?

蓮と幸は、映画を観に行くことにした。
小さい時に、蓮と幸と福とその家族で映画を観に行ったことがあった。
福は生まれて初めて訪れた映画館に、すごく興奮したのを覚えている。
蓮はぼんやりと、その日の事を思い出していた。

そして、今日、観る映画は、女の子が好きそうなラブストーリーだ。
実は、蓮はこの手の映画は苦手だった。
純愛ぶったストーリーが嘘くさく思えてしまう。
今日は寝ないように頑張るしかない。
いつも途中で寝てしまうから。

でも、幸と寄り添って観る映画は全然違うものだった。
映画の主人公が相手を思って泣くシーンで、幸につられて一緒に泣いてしまった。
最後に恋人同士が離れ離れになるシーンでは、幸の手をずっと握りしめていた。
だって、幸の泣き方は半端なかったから…

ずっと手を振る恋人たち…
愛し合っているのに別れてしまう恋人たち…

俺は初めてこの手の映画に共感した。
そして、今の俺ならこういう状況には耐えきれない。
もし、幸が俺の前から居なくなってしまったら?
そんなことあるわけない。
今の俺達は、誰よりも固い絆で結ばれているはずだから…