れんれんと恋するための30日



福が大人しくベッドに横になっていると、閉会式を終えた拓巳が慌てて保健室へ飛び込んできた。
でも、ベッドで寝ている幸の横に座っている蓮を見て、拓巳は一瞬動きが止まる。


「幸? 大丈夫?」


心配そうに幸の顔を覗きこむ拓巳を見て、福は静かに頷いた。


「うん、まだちょっと頭痛がするけど、もう大丈夫。
それより、拓巳、ごめんね、リレーの時…」


すると、急に蓮が立ち上がった。


「ここに座れば?」


蓮はそう言うと、足で椅子を拓巳の方へ押し出した。


「俺、ちょっと教室に行ってくるわ。
幸、今日は俺が連れて帰るからここで待ってて。
OK?」


福は笑いを堪えながら、蓮へ頷いて見せた。
蓮は気を利かせたつもりかもしれないけれど、顔は思いっきり拓巳を睨んでいた…