福はこのまま時が止まってしまえばいいと心から思った。
蓮の胸に抱かれていると、まるで布団の中で寝ているような安心感と居心地の良さに、また眠くなる。
すると、遠くで体育祭の閉会式のアナウンスが聞こえた。
ハッとして体を起こした福は、焦った顔で蓮を見た。
「リレー…
リレーの結果ってどうだった?」
福は泣きそうな顔で蓮に尋ねた。
「ぶっ倒れた幸をすぐにここに運んできたから、俺も結果は知らないんだ。
でも、拓巳が必死に走ってたから、多分、勝ったんじゃね?」
福は慌てて外へ出ようと立ち上がった瞬間、天井が回って見えるほど立ちくらみに襲われた。
「ほら、ちゃんと寝てなきゃまだダメなんだって。
幸、耳を澄ましてごらん。
今から、結果発表が始まる」
“三位は820点で白組。
そして、優勝は…
点数956点で青組です。
二位は945点、赤組でした。
青組の皆さん、おめでとうございます”
福は涙が止まらない。
良かった、本当に良かった…
“そして、今年のMVPは、2年B組安藤拓巳君です。
おめでとうございます”



