「幸、違うんだ。
幸が目覚めたのは、きっと俺のキスでだよ。
ほら、なんかの童話で、王子様のキスでお姫様が目覚めるってあるじゃん」
福は驚いて蓮から離れた。
「キスしたの?
幸に? なんで?」
もう一度、蓮は福を抱きしめた。
「なんでって…
幸が好きだからだよ」
福は、もう一度、蓮から離れて、蓮の顔を真剣に見る。
「でも、透子さんは?」
「透子より、幸が好き」
福は嬉しさのあまり蓮に飛びついた。
「私もれんれんが大好き。
あ、でも、さっきのキス、私、何も覚えてない。
れんれん、もう一度キスをして、お願い」
「え~、マジか?
じゃ、うん、ちょっと…
ちょっと、そんな大きな目で見られちゃ無理だよ。
軽く目を閉じて」
福は言われるままに軽く目を閉じた。
蓮のキスは、優しくてとても温かかった。
ちょっとだけミントの味がして、また、何度もしたくなる。
きっと、蓮の気持ちが神様に通じたのかもしれない。
神様…
あと、与えられた半月、福は蓮のために一生懸命に生きます。
悔いのないように…



