“そうです。
あなたは、大石蓮との関係性を、自分から放棄しています。
それは、約束を達成する気がないと、私はそう理解しました。
今、あなたがこの下界からいなくなっても、この世界は何も変わりません。
姉の幸がまた元の体に戻るだけ。
姉の幸のあなたと過ごしたこの数日間の記憶は、全てなくなるのですから”
福は声を上げて泣いた。
もう神様は決めてしまったのだ。
福は勇気を振り絞り、神様に意見した。
“れんれんには素敵な彼女がいました。
私が無理にれんれんをその彼女から奪ってしまっても良いのでしょうか…?
たった30日しかいない私が…”
神様は、優しく福の頬を撫でた。
福は春の柔らかい風を感じ、神様の愛に包まれているような気がした。



