れんれんと恋するための30日



福は教室に戻り、また、お弁当を食べ始めた。
お弁当を食べながら、ふと、蓮の事を思い出し何だか居ても立ってもいられなくなる。

蓮は大丈夫かな…

まだ、透子は蓮には何も告げていないと言った。
きっと、今は自分の事で精一杯で、蓮の気持ちまで考える余裕なんてない。
でも、それも時間の問題だ。
近い将来、透子の気持ちを蓮は嫌でも知ることになる。
どんなに蓮が傷ついたとしても、それでも、きっと、蓮は透子と別れない。
透子の事を見捨てることなんてできないはずだから。


午後の部の始まりは、三年生のフォークダンスからだった。
アナウンスで、三年生は校庭に集まるように言っている。
福はフォークダンスが何なのかも分からない。
拓巳に言わせれば、昔からある三年生の思い出作りのイベントらしい。


「そして、今年の三年生は女子が少ないために、一、二年生の女子で三年生の男子とフォークダンスを踊りたいと思っている人がいれば、校庭に集合してください。

たくさんの参加を期待しています」


福はすぐに透子を捜しに、青組のテントへ走った。
透子が一緒に踊らなきゃ、ミッチーがフォークダンスなんて踊れるはずがない。
福は勝手にそう思い込んで、透子を必死に捜した。