「成瀬くんはレモンだったよね。はい、これ~」

 茜が成瀬くんにかき氷を渡す。

「サンキュー」

「で、萌がメロン……」

 そう言いながら、雄輝くんが私に、買ってきてくれたかき氷を渡そうとしてくれたから、受け取ろうとした瞬間、雄輝くんはそのかき氷を引っ込めた。

「えっ……」


「メロン、じゃないよな? 萌。いつの間にメロンが好きになったんだよ」


 雄輝くんがズバリ言い放つ。
 その場の空気がなんとなく張り詰めたとき、今度は茜が口を開いた。


「最近なんか優しいよね~って、この間私も言ったけどさ……。紗英が亡くなったからって、そんなすぐに性格変わるかな?」


 茜も何かに気づいている様子で、じわじわと詰めてくる。