(すごい)
(すごいすごい)
(すごいすごいすごい)
(すごいっ!)


 人間っていうのはおかしな生き物で、あまりにも感動したり、嬉しいときには語彙力を失うようにできているものらしい。
 そして、わたしは今、絶賛語彙力を失っている。

 だって、ついに。
 ついに。 
 ついに! エレン様のご自宅の敷地内に入れたんだもの!

 感動で、嬉しすぎて、すごい以外の言葉が出てこない。

 でもでも、この光景を心のキャンバスに焼き付けて、いつか絵師に具現化してもらわなきゃいけないんだもの! 頑張ってできる限りの情景描写を試みる。


 エレン様が毎日通り抜けている優美なエントランス。(は変装して何度も何度も見に来ている。でも素敵。エレン様によく似合っている。なにやら物語がはじまりそうな想像力を掻き立てる門だと思う)

 エレン様が日々愛でているであろう美しい庭にはユリやバラの花々が咲き誇っていて、とっても素敵。このお花にエレン様が顔を近づけて、香りを嗅いだり、癒やされてるのかなぁって思うと、頭に血が上りそうになる。最高。好き。わたし、エレン様の周りを漂う空気になりたい。ずっと眺めていたい。