「申し訳ございません! すべてはわたくしの手違いでございます。エレン様はお忙しいからと、勝手にリストから除外してしまいました。ですから、ヴィヴィアン様はなにも悪くないのです。本当に申し訳ございません」

「ヨハナ……!」


 なんて……なんて献身的な侍女なのだろう! わたしを悪者にしないように、ヨハナはすべての罪を被ってくれたのだ。あまりの健気さに涙が出る。本当に自慢の従者だ。


「そうでしたか。それでは、次回は俺もお招きいただけると嬉しいです」

「ええ、もちろん。そうさせてもらうわ」


 次回の予定はないんだけど! わたしはニコリと微笑んだ。


「ところで、結婚についての話の他に、今日はヴィヴィアン様に提案があるのです」

「提案? 一体どんな?」


 この場で切り出したということは、人目をはばかるような話ではないのだろう。わたしはそっと首を傾げる。


「ヴィヴィアン様はプリザーブドフラワーにご興味はございませんか?」

「プリザーブドフラワー⁉ あるわ、ある! 今ね、いい職人を探しているところなの!」


 思いがけない話の導入に、わたしは思わず興奮してしまう。