「つまり、エレン様と同等かそれ以上の実力者で、なおかつわたしを幸せにしてくれるような男性を見つければいいのよね! 大丈夫……わたし、人を見る目には相当自信があるの! 絶対にお父様が納得するような人を連れてくるわ」

「ヴィヴィアン……」

「それから、エレン様ご自身がわたしとの結婚を望んでいるのも納得できないし、彼の目を覚まさなきゃいけないわ! 誰がそそのかしたのかわからないけど、この帝国には素晴らしい女性がたくさんいるはずだから! 折よく今は帝国中の貴族が集まっているし、男性も女性も、たくさんの人と会おうと思うの。既にリストは作ってもらったし、大丈夫。絶対に成し遂げられるわ。自信があるの」


 気合に満ちたわたしとは反対に、お父様が悲しげな表情を浮かべている。
 だけどわたしは頑固だから。やるって決めたら絶対に退かないから。


「――――期限は一カ月だ。それ以上は待たん」

「十分! ありがとう、お父様」


 お父様の妥協を引き出すやいなや、わたしはすぐに動きはじめた。