現在の国の状態を維持するためにわたしに必要なのは、強いカリスマ性と実績だ。この国に属していることには大きなメリットがあると属国に思わせないといけないし、手を出したら痛い目を見ると示し続けなければならない。
それはとても長く、過酷な道だ。それでも、皇女に生まれたんだもの。わたしには自分の責務を全うする覚悟がある。
それでも、一人で全てがまかなえるわけじゃない。
というより、一人で抱え込んで失敗するより、足りない部分を補ってくれる人に背中を任せるほうが国にとって望ましい。だからこそ、優秀な夫の存在は必要不可欠なのだけれど。
「おまえの夫には、帝国で一番素晴らしい男性を迎えたい」
お父様が言う。わたしは思わず瞳を見開いた。
「あたり前のことだろう? 国の頂に立つのだから、誰もが納得する人間を連れてくるべきだ。とはいえ、帝国中を探せば、美しい顔立ちに幅広い知識、社交性を持ち、判断力・決断力に優れている男性はいくらでもいるだろう」
(いえ、そんな男性は滅多にいません。っていうか、エレン様が最高です。誰よりも素晴らしいです。わかってます、わかっているんです)
さすがに今、話を遮るのははばかられる。だけど、ツッコミどころが満載すぎて、心のなかでついつい反論してしまう。お父様はそんなわたしを知ってか知らずか、ほんの僅かに眉をひそめた。
それはとても長く、過酷な道だ。それでも、皇女に生まれたんだもの。わたしには自分の責務を全うする覚悟がある。
それでも、一人で全てがまかなえるわけじゃない。
というより、一人で抱え込んで失敗するより、足りない部分を補ってくれる人に背中を任せるほうが国にとって望ましい。だからこそ、優秀な夫の存在は必要不可欠なのだけれど。
「おまえの夫には、帝国で一番素晴らしい男性を迎えたい」
お父様が言う。わたしは思わず瞳を見開いた。
「あたり前のことだろう? 国の頂に立つのだから、誰もが納得する人間を連れてくるべきだ。とはいえ、帝国中を探せば、美しい顔立ちに幅広い知識、社交性を持ち、判断力・決断力に優れている男性はいくらでもいるだろう」
(いえ、そんな男性は滅多にいません。っていうか、エレン様が最高です。誰よりも素晴らしいです。わかってます、わかっているんです)
さすがに今、話を遮るのははばかられる。だけど、ツッコミどころが満載すぎて、心のなかでついつい反論してしまう。お父様はそんなわたしを知ってか知らずか、ほんの僅かに眉をひそめた。



