「これ、俺ですか? すごい……そっくりですね」

「そうね……」
(頑張ってそっくりに描いてくれる絵師様を発掘しました。色彩センス抜群な塗師様との合作です。現在進行系で、反対側の壁紙を準備してもらっています)


「このクッションの刺繍も綺麗だ。紋様の細かい部分まで再現されていますね。もしかして、俺の実家から取り寄せたのですか?」

「違います…………」
(それ、縫ったのわたしです。何十も何百も同じ模様を刺していれば、自然と上達するものです)


「このお部屋がヴィヴィアン様がおっしゃっていた宝物庫なのですか?」

「いえ、宝物庫はこことは別に……」
(どうしよう。めちゃくちゃ恥ずかしい)


 穴があったら入りたい気分だ。エレン様はエレン様で居心地が悪いだろうし、なんだかとっても申し訳ない。だからこそお父様の部屋に案内したかったんだけどなぁ(しかし時すでに遅し)。