(やっぱり……ドン引きされてる。全く、なにが悲しくて推しに推し部屋を見られなきゃならないのよ……)


 わたしの部屋は、思う存分エレン様を愛で、エレン様の息吹を感じ、エレン様を支援するために存在している。

 部屋に入るとすぐに、神絵師に描かせたエレン様のでっかい壁紙がわたしたちを出迎えてくれた。調度類はすべて、彼のイメージカラーである黒に金、藤色で統一している。
 それから、カーテンやクッションにはエレン様の家紋と魔法陣を自分自身で刺繍した。棚の上にはエレン様愛用の香水に、彼をイメージして作り上げたアクセサリーが並ぶ。
 この他にも、部屋中の至るところにわたしのエレン様への愛と想いと推しグッズが溢れている。エレン様はソファに腰かけ、そんな部屋をしげしげと見回していた。