闘技場にまるで真剣同士が交わるような鋭い音が鳴り響く。エレンの魔術が木刀を弾く音だ。
ここまでくると、もはや集中力の勝負だった。一瞬でも気を抜けば、相手の攻撃が自分に入る。きっとエレンのほうも同じように考えているだろう。
けれど大丈夫だ。僕ならいける。
相手にきちんとした魔術を発動させるだけの時間は与えていない。このままいけばと――――そう思ったときだった。
まばゆい光に目がくらむ。思わず目をガードした瞬間、みぞおちに強い衝撃が走った。
(くそっ! くそっ!)
湧き立つ観客たち。会場のボルテージは最高潮に達している。
すぐに体勢を立て直し、エレンの杖を木刀で弾く。
けれど、本当は立っているのがやっとだった。
痛い。悔しい。
だけど、まだだ。まだ負けたわけじゃない。
目がかすむ。もう、諦めて膝をついてしまいたい。
痛みを必死に堪えながら、僕はがむしゃらに剣を振るう。
エレンの杖が優雅に風を切る。もうダメだと――――本気でそう思ったときだった。
エレンが唐突に僕から顔を背け、天に向かって杖を掲げる。それから彼は、避けることもガードもせず、僕の攻撃をまともに受けた。
ここまでくると、もはや集中力の勝負だった。一瞬でも気を抜けば、相手の攻撃が自分に入る。きっとエレンのほうも同じように考えているだろう。
けれど大丈夫だ。僕ならいける。
相手にきちんとした魔術を発動させるだけの時間は与えていない。このままいけばと――――そう思ったときだった。
まばゆい光に目がくらむ。思わず目をガードした瞬間、みぞおちに強い衝撃が走った。
(くそっ! くそっ!)
湧き立つ観客たち。会場のボルテージは最高潮に達している。
すぐに体勢を立て直し、エレンの杖を木刀で弾く。
けれど、本当は立っているのがやっとだった。
痛い。悔しい。
だけど、まだだ。まだ負けたわけじゃない。
目がかすむ。もう、諦めて膝をついてしまいたい。
痛みを必死に堪えながら、僕はがむしゃらに剣を振るう。
エレンの杖が優雅に風を切る。もうダメだと――――本気でそう思ったときだった。
エレンが唐突に僕から顔を背け、天に向かって杖を掲げる。それから彼は、避けることもガードもせず、僕の攻撃をまともに受けた。



