ついにベスト8が出揃った。

 普段自分の実力を発揮できる場に恵まれていない人材を発掘する! というのがこの大会のテーマの一つだったわけだけれど、その顔ぶれのほとんどをわたしは既に知っている。


「つまり、我が国の高官たちの見る目は確かだったってことだね」


 優秀な人材はきちんと引き立てられ、それに見合った地位を与えられている。そのことがわかっただけでもいい収穫だった。

 それに、全員が全員ベテランや既に手柄を立てた人材っていうわけじゃない。経験は浅くとも才能のある騎士や魔術師だって見つけることができた。大満足の結果だ。


「おまえにとってはここからが本番だろう、ヴィヴィ」


 わたしの隣に立ったお父様が、茶化すように口にする。


「エレンにライナス、ジーンに、他の未婚の選手たち……一体誰がおまえの夫になるんだろうな?」

「…………」


 なにも答えずに前を向く。ややして、目の前の扉が恭しく開かれた。