「わかった」


 散々自分に言い訳した。逃げられるところまで必死に逃げた。
 だけど、それらをひとつひとつ綺麗に拾い上げて、エレン様はわたしと向かい合ってくれている。


「約束します。エレン様が優勝したら――――もう逃げません。わたし、エレン様の想いにちゃんと応えます」


 だから、エレン様がそうしてくれたように、今度はわたしがエレン様と向き合う番なんだと思う。だって、ありのままのわたしをエレン様は受け入れ、愛してくれたんだもん。わたしは、わたしのことを想うエレン様を受け入れなきゃ、でしょう?


「――――ヴィヴィアン様、ひとつだけ教えて下さい。今でも俺のこと、好きですか?」

「へぇっ⁉」


 すると、なにを思ったのか、エレン様がそんなことを尋ねてきた。そんなの、あたり前のことなのに――――だけど、そんなふうに軽々しく返していい雰囲気ではまったくない。