「間違ってなんかいないよ。俺はありのままのヴィヴィアン様を好きになったのだし、心から大事に思っている。ヴィヴィアン様にも自分自身を大事にしてほしいと思うと同時に、俺の手であなたを守っていきたいと思っている。それに、ヴィヴィアン様はちゃんと、状況に応じて自分を使い分けていただろう? 誰にも責められるいわれはない。本当に立派だと思うよ」

「エレン様……」


 エレン様の言葉に、引っ込んでいたはずの涙が浮かび上がる。
 だってさ、推しにこんなこと言われて平気な人なんていないでしょう? 生きててよかったって、頑張ってきてよかったって思うし、ものすごく救われた気がする。わたし、ちゃんとやれてたんだなぁって。


「だけど――――だけどさ。いい加減しつこいと自分でも思うんだけどさ! やっぱりわたしじゃエレン様の相手に相応しいとは思えないんです」

「どうして?」


 エレン様が首を傾げる。心底不思議そうな表情だ。わたしはグッと眉間にシワを寄せた。