カフェに降り立ったわたしは、そりゃあもうウッキウキだった。だって、久しぶりにひたすら自分らしく推し活ができるんだもの。最高の気分だ。

 エレン様のテーマソング(宮廷音楽家作曲・宮廷楽団演奏。魔法で録音したものを店内でかけているのである)を聞きながら、彼をイメージして考案したパフェやケーキを思う存分作って、カプチーノにはエレン様を思いながら魔法陣を描く。
 制服だって魔術師団のローブを参考にしたものだし、魔術師団からも近い場所にあるから、ここにいるだけでエレン様と一緒にいるような心地がしてくる。この辺だけ空気が美味しいんだもの。細胞が喜んで若返る感じがするというか、心がものすごく癒やされる。


(ああ、幸せ。わたし、本気でここに住みたい)


 皇女に生まれた以上、それが叶わない願いだってことはわかっているけど、思うだけは自由だし。思っている間は最高に幸せだし。デメリットはなにもない。