これ以上は身が持たない! 涙ながらに訴えれば、エレン様はクックッと喉を鳴らしながら破顔した。


「ええ、もちろん。俺がすることに、ヴィヴィアン様が喜ばないはずがありませんから」


 それは確信に満ちた表情。恥ずかしさのあまり、わたしは頬が熱くなった。


(なんで? 一体どこで、どうやってそんなことをお知りになったの? お父様がバラしたのかな? いやもう、紛れもない事実なんだけれども)


 まるですべてを見透かされているようで、なんだか悔しい。しかし、そんな不敵なエレン様もまた、わたしにとってはドストライク。激しく刺さってしまうのが、なんとも言えない気持ちにさせられる。


「さあ、こちらへ。今度は俺たちの結婚についてゆっくり話しましょうね」

「…………はい」


 もはや抵抗できるだけの体力は残っていない。
 ニコニコと楽しげなエレン様を見上げつつ、わたしはゲンナリと肩を落とした。