御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい


 「いや、ここは家政婦が週二回は入っているから俺はあまり何もしてない」

 そう言いながら、私の首のあたりを消毒してくれた。しみるなあ。結構痛い。

 「痛いか?やっぱり消毒して良かったな。結構切れてる。絆創膏でもいいか?」

 「はい。ありがとうございます」

 そう言うと、絆創膏をこわごわ貼ってくれた。なんか、おかしい。
 
 「コーヒーでよければ、一緒に飲むか?」

 「え、あ、遅くなるので私これで失礼します」

 「まだ、九時半だぞ。というか、お前なんであそこにいたんだ?仕事は大分前に終わってただろ」

 そう言って立ち上がるとコーヒーメーカーのほうへ歩いて行った。
 
 「仕事終わってから、橋本君と飲みに行っていたんです」