御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい


 橋本君は照れくさそうに笑ってる。なんか、可愛い。こういう顔もするんだ。

 一時間後には会計をして駅へ向かって歩き出した。橋本君は地下鉄、私はJR。駅が違うので、途中で別れた。

 私が駅へ向かう途中で会社の近くを通り過ぎる。
 すると、本部長を見かけた。
 
 年配の女性が何か大きな声で本部長にわめいている。
 こんな時間に苦情かな、大変だなと思ってみていた。

 すると、その女の人が手を振り上げて本部長の頬を叩いた。本部長は避けない。痛そうだ。
 私はびっくりして、立ち止まって様子を見ていた。すると大きな声で本部長を罵って、その女性がまた手を振り上げた。私はとっさに駆け寄って間に入った。

 バシっ!私の首のあたりに彼女の手が炸裂した。爪が入って少し切れたかもしれない。痛い。
 
 「あっ、何、この子……」