御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい


 それなんだよねー。先輩には変えてもらえるよう頼んでたんだけどな……。

 「無理だから、他の人にして欲しいって先輩には頼んであるけど、何か全然、先輩が本部長に話してくれてなくて。しかも、昨日、本部長からそのこと念押しされてさ。嫌だって言ったら怒られた」

 橋本君はビールを美味しそうに飲みながら、つまみをつまんでこちらを見てる。

 「……たぶんさ、全部お前に振るつもりなんだよ」

 私は驚いて、ビールにむせてしまった。

 「げほっ」
 
 「おい、大丈夫か?」

 ハンカチで口を拭いた。
 
 「え、どうしてそう思うの?」