「シャワー使うか?」 「大丈夫です」 彼に向かって微笑むと、おでこをつつかれた。 「よし。じゃあ、軽く何か一緒に食べて、駅へ送る」 「はい」 その後、ふたりでキッチンに移動して買ってあったものを食べた。 「香那、もうあそこでいいだろ。家賃は交渉しておく。だから引越を早めにしよう」 「家賃を聞いてからですよ?」 「しつこいな」 「だって、ここに住むと絶対ばれる、私達のこと……」 彼は笑っている。