十階の部屋へ戻ると、玄関を入ってすぐに抱き寄せられた。
「あいつは元カレか?名前で呼び合う同級生なんておかしいだろ」
やっぱりわかっちゃった。そうだよね、名前呼びしてしまって後で後悔した。
「……そう。卒業の時に別れたの。彼がどうして椎名不動産にいるのかわからないけど、大学卒業時点では建築事務所勤務が決まっていたはず……」
そう言った私の口をまたキスで塞いだ。
「あ……はあ……」
「あいつ、お前とどうして別れたんだ」
指先で身体を探っている。
「あ、やだ、だめ……」
あっという間に服を半分取られた。彼の指に翻弄されて、すでに涙目になっている私を見て、ベッドへ抱き上げていく。



