史人に小さい声で言う。

 史人が耳元で囁いた。

 「ええ?!そんな高いの?」

 史人に言うと、彼は呆れたように言う。

 「お前、この辺の相場見て言ってんのか?大体、ここ角部屋だし安くはないよ。駅から五分。東京のど真ん中。お前千葉だったからわかんないだろ」

 「柿崎君と言ったか。すまないが、一応借りるつもりで押さえておいて欲しい。一週間以内には連絡する」

 英嗣さんが私の横に立って、史人に言った。

 「すみませんが、一応ご契約者ご本人である水川さんとも連絡を取りたいのでご連絡先を教えて欲しいのですが、いいですか?」

 英嗣さんのほうをチラリと見て釘をさしてから私に向かって言う。それはそうだよね。