「時間はかかってもお前は間違いがほとんどない。それは評価出来る。せめてカメからウサギにはなれなくてもネコくらいになって欲しい」

 何なの、そのわかりにくい例え。

 「猫っていうのは今の私のスピードの何倍なんでしょう?」

 「そうだな、二倍くらいだな」

 「二倍……」

 本部長は笑い出した。

 「水川。お前考えすぎだ。二年目になるんだから、一年目より倍の早さになるのは当たり前だ。心配するな、俺が育ててやる」

 じっとこちらを見る。

 「……考えさせてください」