ルーチェが色々と考えている間、ロネはふとルーチェの方を見た。

ルーチェは何かを懐かしむような笑みを浮かべており、ロネは思わず「ルーチェさん」と声をかける。

「ん？」

「……えっと…………ルーチェさんのお話も聞きたいです！何か変わったこととか、楽しかったこととか！」

懐かしそうな笑みを浮かべていた理由を聞こうとしたロネだが、それを聞いてはいけないと直感で思ったため、慌てて話題を逸らした。

「……クラル様の様子がおかしくなったことと呪具が消えたこと以外だと、何があるかな……」

そう言って、ルーチェはロネたちと別れてからの出来事を振り返る。

「……あ、そうだ。1か月くらい前の話なんだけど……」

ルーチェはそう言って、楽しかったことをロネにたくさん話した。

ルーチェとロネが楽しく話しながら歩いているとロネの家に着き、ロネは「ここが俺の家です！上がってください！」とルーチェに家の中に入るように促した。



「え、ルーチェくん！？」

翌日、ロネは異世界に帰れるまでロネの家に泊めてもらえることになったルーチェを連れて、勇者の息子であるネイサン・サミュエルと人間とセイレーンのハーフであるナタリー・スカイラーのもとへと向かう。