光の行く末は【転生したら、魔王の側近でした×アテナ・イェーガーシリーズ】

「……魔法使い……」

「おや?信じられませんか?」

オリバーと名乗った男性は、ローブのポケットから白い杖を取り出し、杖の先をクラルの父親に向けた。オリバーが呪文を唱えると、クラルの父親の体がふわりと浮く。

「信じていただけましたか?クロード・ディスペア様」

名乗ってもいない名前を呼ばれ、クラルの父親――クロードの緑の目が見開かれた。

「……どうして……」

「魔法使いですから」

そう返しながら、オリバーは魔法を解く。

「後は、僕にお任せください。あの呪具持ちの魔法使いのいる場所に、飛びますね」

オリバーが呪文を唱えると、オリバーを中心に魔法円が現れた。

「それでは、移動します。スリー、ツー、ワン……ゴー」

オリバーがそう言うと、ルーチェたちの体は光に包まれる。そして、ルーチェたちは呪具を持つ魔法使いがいるという古びた屋敷の前にいた。

「……すげぇな!」

目を輝かせながら、アーサーは言う。オリバーは「入る前に、魔法をかけますね」と言って、呪いを無効化にするという魔法を皆にかけた。

「とりあえず、これで呪いにはかからなくなりますが……気を付けてくださいね。中から、強い魔力を感じます」

オリバーの言葉に、皆は頷いた。