光の行く末は【転生したら、魔王の側近でした×アテナ・イェーガーシリーズ】

「……まるで、僕のことを消そうとしているみたいですね……」

ルーチェが呟くと、ゾーイは「ルーチェのことを消すなら、もっと他の方法があるはずだ」と返す。

「……それに……本当にルーチェのことを消すなら、クラルだけじゃない。俺やアーサーくん、ティムくんといった、ルーチェの関わりのある人物にも魔法をかけるはずだよ。さて、そろそろ話を戻そうか」

クラルの父親の言葉に、ルーチェは「このままだと話が逸れそうですし……それが良いですね」と答えた。

「……魔法使いに対する対策か……相手は、呪具持ちでしょ?しかも、呪具に取り込まれているってことは、ルーチェ以外の皆に呪いにかける可能性もあるわけだから……」

クラルの父親は、そう呟きながら考え込む。

「……その呪いを、一時的に無効化する魔法とかないんですか?」

「一時的に無効化、ね……」

「それなら、僕に任せてください」

そんな声がし、ルーチェたちの近くに光が現れた。

その光はだんだん大きくなり、そこから現れたのは白を中心としたローブに、大きな白い三角帽子を被った金髪に水色の瞳をした男性だった。

「初めまして。僕の名は、オリバー。魔法使いです」