溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。



極月イリアさん。

長くて艶やかな黒髪、麗しい藤色の瞳が印象的な容姿と、凹凸のある引き締まった艶めかしい抜群のボディを持つ、魔族の美人さんです。
早くも男子たちの間で大人気だそうですが。


「あっ、リユどっか行った」


リユくんは興味がなさそうですね。


「極月イリア、リユに彼女がいるって知ってるくせに今でも血をもらってくれって迫ってるらしいよ」

「そうなんですか」

「多分相当小宵のこと妬んでると思うから、気をつけてね。まあマオが守るけどね!」

「ありがとうございます」

「学園内で魔法は禁止だから、ヤバいことはしてこないと思うけど〜」


学園内は全員が平等なので、故意にその種族毎の能力を使用することは禁じられています。

リユくんのように血を吸わないと命に関わることは、別ですが。
ヴァンプは最低でも一日一回は血を飲まないと衰弱してしまうのだとか。

だから昼休みはああして毎日……ああ、思い出しただけで顔が熱くなります。


「……っ!?」


今のは、何でしょうか?

誰かにものすごく見られているような、凍てつく視線を感じました。ほんの一瞬でしたが。

マオちゃんが言っていたように、気をつけないといけないのかもしれませんね。
マオちゃんにもリユくんにも、心配はかけたくありませんから。