溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。



今私と専属契約を結んでいるから血が飲めないだけで、契約さえなければ血は飲めるはずです。


「リユくん、契約を……」
「やめないよ」


っ、リユくん――……。


「契約は解除しない」

「でも、このままではリユくんが……」

「他の血なんていらない。前にも言っただろ」

「……っ」

「大丈夫だから。俺を信じて?」


真っ直ぐに見つめられて、その紅の瞳に映るのが私だけなんだと思うと、たまらなく嬉しい。

でも、リユくんが優しくしてくれるのは、私がブラッディハニーだから。

勘違いしてはいけませんよ、小宵……。


「そんなことより、小宵をこんな風にした奴の心当たり、本当にないの?」

「……一人だけ」

「誰?」

「極月イリアさんです」


私は確証はないことを前置きし、幼児化の直前に極月さんと会ったことを話しました。


「極月イリアってリユにやたら迫ってる魔女だよね」

「ああ」

「あり得そう。極月って魔族でいう暁月家みたいなもので、相当高い魔力を持ってるらしい。
あの高度な抑制魔法も彼女ならできるかもね」

「もう極月イリアで間違いないじゃん!!
リユの彼女なのが気に入らないからだよ!」

「しかも極月、昨日からずっと体調不良で休んでるんだよな」


因みにリユくんと極月さんは同じクラスなのです。