そんな理由で、アンポリもまた、おひとりさまだったというわけである。

そんなところも、私には、誠実だと感じられ、この人を好きなんだと、はじめて本気で思った。





お互いの生活に干渉しすぎないよう、デートは外に出てばかりで、互いの部屋も往復しない。

クリスマスの今日だけは、イレギュラーだ。

私たちの間には、何の約束もないけれど、それが互いにとって理想の関係。

ずっとこんな風に、ごく自然に一緒に居られる日々が続けばいいな…。

ぼんやり、窓の外の雪を眺めながら思った。

「南」

彼の声に振り向くと、初めて、そっと唇と唇が触れた。

静かに燃えているような瞳を見つめ返す。

「昔から、南のことが好きだったよ…」

思いがけない言葉に、どう返していいかわからず、ただそっと腕を回すと、強く抱きしめてくれた。



FINE