「あらー…南さんったら、ホントに綺麗だわ。モデルお願いしてよかった!」

先輩がそう言ってくれるので、

「こちらこそ、まさかウェディングドレス着られるとは思わなかったですし、有り難いですよ」

鏡に映る私は、自分で言うのもなんだが、満更でもない。

「あれ?そういえば、模擬挙式ということは、新郎のモデルも居るんですよね?」

そう尋ねると、先輩は可笑しそうに笑いながら、

「あら、何も聞いてなかった?」

どういうことだろう。