「……もしかして、アーサーとティムくんの近くにいる子がそう?」

ピンク色の髪の女性に、アーサーは「あぁ、そうだ!」と元気よく答える。

それから、アーサーとティムは僕の方を見た。

「……えっと、初めまして。ルーチェ・クロウディアと言います。アーサーとティムとは、同い年です」

僕が自己紹介をすると、アーサーのお父さんは「同い年かぁ……あ、俺はアーサーの父親です」と言う。

それから、皆は自己紹介をした。

ピンク色の髪の女性がアーサーのお母さん、白髪の男性がティムのお父さん、同じく白髪の女性がティムのお母さん。

そして、ティムのお母さんは治療師の称号を、アーサーのお父さんは剣術士の称号を持ってるらしくて、ティムとアーサーは、そんな2人に憧れて冒険者を目指し始めたそう。

あとは、今この場にはいないけど魔導師の称号を持つアーサーの弟がいる……らしい。

「……そういえば、ティム。用事があって来たって言ってたけど……」

ティムのお母さんが、ティムをじっと見つめる。

「……実はね」

ティムが何かを言いかけた時、急に外が騒がしくなってティムは口を閉じた。

「何だ!?」

そう言って、ティムのお父さんは窓から外を覗く。

「モンスターが、村で暴れている……!」

ティムのお父さんの言葉に、ティムは「なら、今すぐ倒しに行かないと!」と動こうとした。