「……すごい……」

『ありがとうございます。本当に助かりました……それでは、ルーチェ様……いえ、ご主人様。これから、よろしくお願いいたします』

「……その呼び方、何だか恥ずかしいな……普通にルーチェでいいよ。強制はしないけど……とりあえず、よろしくね」

『分かりました。これからは、ルーチェ様と呼ばせて頂きます。今日は急なお願いごとを引き受けて頂き、ありがとうございました』

「いや、大丈夫だよ。よし、用事も終わったし……そろそろ帰ろうかな」

そう言ってから部屋を出て、僕は生みの親とビオラさんに挨拶をしてからいずなを連れて家を出る。

『主人!』

僕が家を出ると、僕の肩に八咫烏が止まった。八咫烏は少し間を置くと、『主人、その指輪……』と話しかけてくる。

「クロウディア家にあった呪具だよ」

『これが、いずなさんの言っていた……へぇ、とても素晴らしい効果の持つ呪具を手に入れられたのですね』

八咫烏の言葉に、僕は「え、分かるの?」と首を傾げた。

『はい。分かりますよ……私は、呪具の化身ですよ?見ただけで、呪具の力を知ることが出来るんです』

……呪具の化身、か……。