「……この町は、たくさんの魔法薬の材料が売っているんだ。珍しいものも売っていたりするから、たまに来るんだよね。この町にしか売ってない材料が切れてきたから、ついでに買っていこうかな」

リンドウで用事を終わらせたレオンさんは、とある店の前まで来ると立ち止まった。レオンさんは行こうかどうか悩んでるのか、動かない。

「……レオンさん。ここは、気軽に来れる場所じゃありません。僕らは外で待ってますので、買いに行かれてはどうですか?」

そうレオンさんに伝えると、レオンさんは申し訳なさそうな顔をして「分かった。そうさせてもらうよ」とその店で買い物をするために入っていった。

「……ん?君、もしかして……」

視界に入った、僕と同じ黒髪に紫の瞳の男性が僕に話しかけてくる。

「……えっと……」

僕が返答に困ってると、男性は「急に、ごめんなさい……」と表情を変えることなく謝った。

「いえ、大丈夫です」

「そうだ……自己紹介、しないと……僕は、ヴィオレット・クロウディア……魔導師、です」

……え?クロウディア……?僕と、同じ……しかも、ヴィオレットって……どこかで聞いたことがある、気がする。どこで、聞いたんだっけ……?

「……っ!!」