｢……はい。今、僕の主人が大魔王のところに居て……助けたいんですけど、大魔王がどこにいるか分からなくて……エレナさんに会えば、何か分かるかもって話になりまして……｣

｢……分かった。教えてあげるよ。ルカのいる場所……でも、その前に……ルカの話をさせてちょうだい。ルカが大魔王になった理由はね……世界平和のため。良く私に言ってたんだよね……大魔王になって、世界を平和にしたいって……｣

……世界、平和……。

｢……｣

エレナさんの話が本当なら、いずなの話と噛み合わない。世界平和を願うなら、どうして破壊神を復活させようとしてる？……どちらかが嘘をついてるのか？それとも、2人は本当のことを言ってるのか……もし、2人とも本当の話をしてるのだとすれば……。

｢……ルーチェ、どうしたの？何かを考え込むような顔をして｣

エレナさんの心配そうな声が聞こえてくる。いつの間にか床に落ちてた視線を、僕は家族写真に映した。

｢……エレナさん。他にも、写真ってありますか？良ければでいいので、見せて欲しいです｣

僕が頼むとエレナさんは｢いいよ｣と言って、近くにある棚からアルバムを取り出して見せてくれる。

エレナさんは｢……懐かしい……｣と言いながら、アルバムをめくって、僕に色々と教えてくれた。