レイチェルの言葉に、僕は「どういうこと?」と質問をする。

「私から出す試練は、『力を求める理由を考えること』でした。しかし、主人は私からの質問を考える上でその答えを導き出した」

「……力を求める理由……そういや、前にも同じような質問しなかった?」

僕が呪具使いになった日、八咫烏から、「どうして、力を求める?」と質問されたことを思い出した。

「あの時は、明確な理由を答えませんでしたよね?私は、主人が大きくなってから明確な理由を聞こうと考えていましたから」

レイチェルは、そう言うとその場で跪いた。隣には、さっきまでいなかったはずの、いずなもいる。

「ルーチェ・クロウディア様。生涯、あなたに仕えさせていただきます」