リルにお礼を言うと、今度は僕らの前に集団でモンスターが現れる。

「……こんな時に……リル、あの2人をモンスターから守って。モンスターは、倒さなくてもいい。あの2人を守ることを最優先に」

僕はリルから離れると、リルに指示を出した。

リルは少し考えたあと「分かりました」と頷くと、カナタさんとエリカさんを攻撃しようとしてるモンスターに向かって攻撃をした。

「……さて、と」

とりあえず、これでカナタさんとエリカさんが怪我をするのだけは避けられそうだ。

「……早く、クラル様のもとへ急がないといけないんだけど……」

僕の邪魔をするように立つモンスターに目を移しながら、僕は杖を構え直す。

「ルーチェ、リル！大丈夫か！？」

そんな声が聞こえてきて、僕は声がした方を見た。そこには父様がいて、父様の肩には八咫烏が乗ってる。

「……父様……」

「八咫烏から簡単に状況を聞いて、見に来たんだ」

「あれ？クロードさん。お久しぶりです」

ビオラさんが、僕らに近づいてきた。クラル様を抱えて。

「……君は、ビオラくん……何が目的だ？」

「何って……クラルさんを大魔王様のもとに連れていくだけ。ついでに、ルーチェのことも消してこいって言われてるんだよねぇ」