由人先輩は大学でもサッカーを続け、卒業後は、ずっと夢だったプロの道へと進んだんだ。

 学生時代より格段にハードになったトレーニングや練習で、最初の頃は、顔を合わせた瞬間寝落ち、なんてことも多々あったけど。

 それでも、そんな由人先輩の寝顔を見ているだけで、あたしは幸せだった。

 だってそれって、あたしといるときは、リラックスしてくれてるってことでしょ?


 あたしは束縛されるような恋愛は望んでない。

 たまに会って。

 おいしいものを一緒に食べて、一緒に笑って。

 それで十分。

 きっと、由人先輩もそんな関係を望んでたんだと思う。

 だからこそ、あたしたちはこうやって8年も一緒にいられたんじゃないかな。