由人先輩同様、恋愛には全く興味ないのに、周囲の声があまりにもうるさくて、そんな声除けのつもりで、先輩と「ウソカノ」「ウソカレ」契約をすることになったんだ。

 ま、一花には根掘り葉掘り聞かれるのがウザくなって、結局ウソ契約のことをそっこーでカミングアウトする羽目になっちゃったけど。

 それでも由人先輩の虫除けくらいの効果はあったのか、あたしと付き合いはじめたってウワサが流れてからは、言い寄ってくる女子はほとんどいなくなったみたい。


 そんなあたしたちが本当に付き合うことになったのは、由人先輩の卒業式の日。

 本当は、卒業式の日にホワイトデーのお返しをもらって、契約は終了だって思ってたんだけど……。

 二人で過ごす時間があまりにも心地よくて、気付いたらお互い離れられなくなっていた。