ずっと、君と。

「……俺さあ、もう我慢できないんだけど」

 気付いたら、どこかの広い駐車場に車が止められていた。

「降りて」

 有無を言わせぬ強い口調で由人先輩が言う。


 やっぱり。さっきから、なんか怒ってる……?


 車を降りると、目の前には見たことのある景色が広がっていた。

「ここって」

「そ。ヒナが、はじめて俺に声かけてくれた競技場」

 なんでこんな時間にこんなところに……?

 西の空にわずかに残る夕焼けをバックに、競技場の輪郭だけがくっきりと見える。

「いろいろ考えたけど、ここが俺らのはじまりの場所だったからさ」

「懐かしい」

 競技場を見あげると、梅雨っぽい湿り気のある風が、あたしの髪をなでる。

 そんなあたしを、うしろからじっと見つめる由人先輩の視線を感じる。

 でも、由人先輩が怒ってる理由がわからなくて、振り返ることができず、あたしはずっと競技場の方を見つめていた。