修了式で学校が半日だったこともあり、朝陽と長瀬も一緒にファストフード店で昼食を済ませた。
今日はまどかの自宅で数日ぶりの家デート。
「適当に座ってて。今飲み物持って来るね?」
「ん」
まどかの部屋にはもう何度も来てる。
部屋のあちこちに彼女の作品があって、見てるだけでワクワクする。
女子高生が作る物だから可愛らしい物かと思いきや、まどかの作品は少し違う。
自然をテーマにしていて、グラデーションの色合いが秀逸。
子供から大人まで誰もがワクワクするような世界観に、さすが超人気作家だというのが見て分かる。
誕生日プレゼント、何にしようかな。
部屋を見回しても、欲しそうなモノが思い浮かばない。
いっそのこと、本人に聞いてみようか。
……さすがにそれは。
「座っててよかったのに」
「あ、……ん」
部屋の中をウロウロしていたのが、バレたか?
「まどか、4月1日さ、1日空けといて」
「ッ?!」
俺の言葉に驚くまどか。
うん、俺もさっき知ったばかりなんだけど。
「行きたい所、ある?希望があれば」
「……廉と一緒なら、どこでも♪」
嬉しがる彼女が、あー、マジで可愛すぎる。
まどかと一緒にいられるなら、毎日が誕生日みたいなものだ。
毎日ドキドキして。
一瞬一瞬が輝いてて。
俺の心のアルバムに、毎日まどかが記憶されてく。
「まどか」
「っ……」
テーブルに飲み物とお菓子を置き終わった彼女を抱き締めた。



