耳まで真っ赤になったまどかと視線が絡む。
「じゃあ、お互いに用が無かったら、『逢う』でいいか?」
「……はい♪」
やばっ。
きゅん死する。
心臓がもたなそう。
心拍が急激に爆上がり中。
「今日のお夕飯、作ろうか?」
「へ?」
「1人暮らし状態でしょ?大したもの作れないけど、彼女らしいことしたいって言ったら、重い?」
「全然っ!!むしろ、有難いっつーか、嬉しすぎるっ」
「ぅふっ、よかったぁ」
再び、握っている手がぎゅっと握り返された。
痛いほどに心臓がバクバクしてる。
救急車呼んだら、ダメかな……。
*
「ご両親って、いつ帰って来るの?」
「春休み頃かな、たぶん」
「そうなんだねぇ」
自宅に到着して、部屋を暖める。
コートを丁寧に畳む姿にきゅんとする。
そーいうとこ、好き。
「何飲む?」
「何でも大丈夫」
「自分で選ぶ?」
「……いいの?」
「ん、遠慮しなくていいよ。おいで」
キッチンにまどかを呼び、引き出しの中と戸棚の中を見せると、目を輝かせた。
「好きなの選んで。それと、食材は冷蔵庫の中とパントリーにある物、何でも使っていいから」
「……はぁい」
親が契約してるサブスクの食材。
定期的に宅配と通販で届けられるそれらは、1人じゃ食べきれない量だ。
「1人暮らしでこの食材、どうやって使い切るの?!」
「……正直、俺もそれ知りたい。親が勝手に契約してるから」
「フードロスにレッドカードだよ、上條家っ」
「……だな」
発想がまどからしい。
驚いた顔も可愛すぎる。
「明日のお弁当用のおかずも作っておくから、自分で詰めれる?」
「は?」
「勿体ないもん、こんなに食材あったら」



