冷淡男子の上條君は全振り初カノにご執心


「長瀬とか、女友達と遊ぶ時間も必要だし、1人の時間も必要だと思うし」
「……」
「だけど、まどかちゃんがよければ、周りがどーこー言おうが、関係ないんだけどね」
「……ん」
「ガードするのは彼氏として必要だけどさ、相手の気持ちをちゃんと把握しながらだよ?」
「……ん」
「お互いに口数少ないんだから、すれ違わないように気を付けなよ」
「……分かった」

女関連に関して、いつも冷めた目で見てたのに。
まどかを好きになって、つくづく朝陽の有難みを思い知る。
持つべきものは友だな。



「手伝おうか?」
「もう終わる。もうちょっとだけ、待って」
「はい♪」

今日日直の俺は急いで日誌を記入しながら、笑みが零れた。
『はい♪』って、可愛すぎ。

「上條、あんたキモいよ」
「うっせぇ、黙れ、チビ」
「チビって、言ったなぁーッ!」
「あぁ、言っちゃわりぃのかよ」
「まどか、こんな男、彼氏失格だよ。別れな!もっといい男の子、紹介してあげるからっ!」
「えっ…」
「まぁまぁ、お2人さん、口は災いの元だから、2人ともお口チャックで、ね?」
「まどか、帰ろうっ!」
「あっ、ちょっ……」

長瀬がまどかの腕を掴んで教室を出て行ってしまった。

「廉、口悪すぎ。彼女の親友相手に、毒吐くの止めな」
「……ん、言いすぎた」
「ちゃんとまどかちゃんにも謝んないと、嫌われるよ?」
「分かってるって」

日誌を職員室に届けて、朝陽が待つ玄関へと。