「おばあちゃん、そんなことないよ。本当に嫌なことは嫌って言う」

 おばあちゃんは庭を見ながら笑った。

 「そうかしらね?そういうことってあんまりないからね」

 話を変えた方がいいと思い、聞いてみた。

 「それで、また連絡くるの?」

 「そうね。出来れば今週末がいいとおっしゃって……」

 「また、急なのね」

 「そうね。準備しておいてね。着物を出しておいてちょうだい」

 「……もう。別にお見合いじゃなくて、知り合いというか友達になるんだからいいのよ」