叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する


 私は周りをキョロキョロしてしまった。誰に見られてるか分かったものではない。

 「大丈夫よ。今日の相方の根本さんはまだそこに座ってる。聞こえてないから大丈夫よ。離れてるし……」

 私の心配を言い当てる。須藤さんも本当に食えない人だわ。

 「ねえ?お昼一緒にどお?私これからだからさ」

 「そうですね。あんまり時間ないですけど、大丈夫ですか?」

 「それは一時間以内ってこと?」

 「十二時四十分くらいにはここを出たいんです」

 「了解。まだ、四十五分だから一時間くらいはあるよ。近くの店で目立たないところ行こう」

 そう言って、私の腕をつかんでつれていく。