叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する


 「今度はメールしてください。ね?」

 ウインクしたら、びっくりした顔をして、エレベーターの方へ歩き出した。

 数歩行き、立ち止まる。
 
 「週末、暇なら一緒に出かけたい。また、連絡する」

 顔も見ずに、返事も聞かずに居なくなってしまう。相変わらずだ。

 時計を見るともうすぐ昼だ。振り向いたら、須藤さん。

 「ねえ、ねえ。もしかして、そういう関係なの?」

 「……違いますよ」

 「嘘ばっかり。私、二年くらい玖生様のこと見てるけど、これは初めて見た。いいもの見ちゃったー」

 ニヤニヤ笑ってこちらを見てる。